眼瞼下垂は、まぶたを持ち上げる筋肉の力が弱くなることで起こる病気です。
見た目の印象を大きく左右するだけでなく、場合によっては視野を狭め、日常生活に支障をきたすこともあります。
本記事では、眼瞼下垂の基礎知識から治療法まで、総合的に解説しているので、眼瞼下垂に悩んでいる方はぜひ最後までご覧ください。
眼瞼下垂の種類は主に3つ
眼瞼下垂には、原因や特徴の違いにより主に2つの種類があります。
それぞれ症状は原因や治療方法が異なります。まずは自身の眼瞼下垂がどちらの状態なのかを正確に判断することが大切です。自己判断が困難な場合は、必ず専門医に相談しましょう。
先天性眼瞼下垂
先天性眼瞼下垂は、眼瞼挙筋（まぶたを持ち上げる筋肉）の発達不全によって引き起こされるタイプの眼瞼下垂です。
幼少期から明らかな症状が見られることが多く、通常手術を急ぐことはありませんが、まれに弱視や斜視の原因となったり、視力に影響がある場合も考えられるため眼科で診察と経過観察が推奨されます。
後天性眼瞼下垂
後天性眼瞼下垂は、加齢や外傷、疾患など後天的な要因によって生じます。加齢によるものが最も一般的な理由です。眼瞼挙筋やその腱膜の弱化、伸びによってまぶたが下垂します。
中高年に多く見られる症状ですが、若年層でも長時間のパソコンやスマートフォンの使用などによる眼の疲労から発症する場合があります。その他ハードコンタクトレンズの長期使用は、レンズに厚みがあるためまぶたが圧迫される状態になり、瞼板から挙筋腱膜が外れてしまうことで眼瞼下垂の症状が出るケースもあります。
偽性眼瞼下垂
目を開ける力はある（眼瞼下垂ではない）けれど、瞼のたるみが視界を遮り黒目が半分ほどまで隠れている状態を『偽性眼瞼下垂』といいます。
見た目が似ているため、眼瞼下垂と間違いやすいですが、美容クリニックを受診すれば適切な診断をしてもらえます。
まれに偽性眼瞼下垂と医師に診断された場合は、眉下切開を保険適応で受けられるケースがあります。保険適応で眉下切開を受ける場合、視界を広げることで目の機能性を改善することが目的となるため、見た目の改善や傷跡のフォローなどは含まれないため注意が必要です。
眼瞼下垂を自力で治すことは可能？
結論から言うと、眼瞼下垂は、自力で治すことは困難です。
軽度ならばこれ以上眼瞼下垂の症状が重症化しないように、まぶたを擦らないまたはハードコンタクトの装着を控えるなどで予防できる可能性があります。
しかし、眼瞼挙筋の力が一度弱くなると、筋肉自体を鍛えるだけでは眼瞼下垂の改善は見込めません。
眼瞼下垂を放置するとどうなる？
眼瞼下垂を放置すると徐々に症状が重くなり、視野が狭くなったり視力が落ちたりして、日常生活に不便が生じる恐れがあります。
さらに肩こり、頭痛、めまいなどの原因にもなる可能性があります。放置せずに早めにクリニックに相談し、適切な治療を受けるようにしましょう。
自力で行う眼瞼下垂のケア方法
自力で眼瞼下垂の根本治療を行うのは困難ですが、自宅で簡単なケア方法を取り入れることで、たるみの進行を防げる可能性があります。
目の筋肉のトレーニング
目の周りにある「眼瞼挙筋(まぶたを持ち上げる筋肉)」のトレーニングは、既に眼瞼下垂の症状がある方に効果はありません。
眼瞼下垂の予防として、下記のエクササイズを毎日数回行えば、目の開きの衰えを防げる可能性があります。
- 目を閉じた状態からなるべく大きく目を開く行動を繰り返す
- 両目を限界まで大きく見開いて5秒キープする
ただし目の筋肉を鍛えて自力で眼瞼下垂を治すことは不可能ですので、既に眼瞼下垂の症状がある方は手術を検討しましょう。
アイテープで固定する
眼瞼下垂の症状がある場合、無意識のうちに目を開こうとして筋肉が緊張した状態が続き、頭痛や肩こりなどを引き起こすおそれがあります。
まぶたが黒目に被さることで目の開きが悪くなる「偽眼瞼下垂」の場合には、
サージカルテープを使ってまぶたを上げることで、筋肉への負担を軽減できるため、頭痛や肩こり、眼精疲労などの不調がやわらぐ可能性があります。
しかし、この方法は一時的なものであり、テープの剥がし方によってはまぶたへ刺激を与え眼瞼下垂の症状が悪化する場合も考えられます。長期的な解決策にはなりませんので、眼瞼下垂の症状がある方は手術を検討しましょう。
まぶたのマッサージは要注意
まぶたは非常に薄くデリケートなため、マッサージを行う際には適切な方法で優しく行う必要があります。
まぶたを直接強くこするようなマッサージは、まぶたの筋肉や組織へのダメージになり、症状を悪化させる可能性があります。
手軽にできる方法ではあるもののリスクが高いため、自己流でのマッサージは避け、専門家の指導のもとで正しい方法を学ぶのが良いでしょう。
眼瞼下垂の治療法
眼瞼下垂を治す手術には、大きく分けて「埋没式挙筋短縮術」と「眉下切開」の2種類があります。
埋没式挙筋短縮術
埋没式挙筋短縮術は、主に軽度から中等度の眼瞼下垂に対して行われる治療です。切開せずに症状の改善を目指します。
まぶたを持ち上げる主要な筋肉である眼瞼挙筋を短縮し、まぶたを持ち上げる力を強化することでまぶたの開きを改善します。まぶたの裏側から微細な糸を用いて筋肉を引き上げ、適切な位置に固定するため、外側からは傷跡がほとんど見えません。
手術時間も比較的短く、ダウンタイムも短く済むことがほとんどです。しかし、重度の眼瞼下垂には適さない場合があります。
挙筋筋膜前転法
二重まぶたのラインを切開し、目を開ける時に使われる眼瞼挙筋をしっかり作動させる処理（挙筋前転）をする治療法になります。
重度の眼瞼下垂の方は挙筋筋膜が伸びたり外れたりしているため、挙筋筋膜を瞼板に固定し短縮させることで目の開きにくさを改善します。
挙筋筋膜前転法は二重のライン上を切開して縫い付けるので、施術後は黒目がぱっちりとした二重まぶたになるのが特徴です。
眉下切開
眉下切開は従来の眼瞼下垂手術とは異なり、眉毛の下の皮膚を切除することで、まぶたの重みによる目の開きを改善する治療法です。『偽性眼瞼下垂』に有効な手術です。
この手術は、まぶたの厚みやたるみを自然に改善させることで、まぶたの被さりによる偽眼瞼下垂の治療だけでなく、老化で狭くなった二重幅を元に戻すといった若返り効果を実感することができます。
眉下切開について詳しく知りたい方はこちらの記事も併せてご覧ください。
【まとめ】眼瞼下垂は自然には治らない！まずはイートップクリニックに相談
眼瞼下垂は様々な種類があり、有効な治療法も異なります。美容クリニックに相談すれば、目の開きの機能面だけでなく見た目の美しさも考慮しつつ治療を進められるのでおすすめです。
手術を受けるかどうかの判断は、まぶた状態やなりたいイメージに合わせて慎重に行う必要があります。そのためには、信頼できる専門のクリニックで相談するのが良いでしょう。
イートップクリニックの増田院長は、これまでに豊富な目元の手術実績（眉下切開の手術実績は1700件）をもとに一人ひとりの状態を丁寧に診断し、最適な治療計画を提案してくれます。
カウンセリングサービスを利用して、手術方法や期待できる結果などについて詳しく話を聞き、納得のいく治療を選択しましょう。
