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眼瞼下垂の手術の特徴は?先天性・後天性どちらの症状も改善できる!

2022.08.16

眼瞼下垂の手術にはいくつかの種類があり、病気の特徴に合わせた方法を選ぶ必要があります。同じ眼瞼下垂でも、先天性・後天性があり、症状は軽度から重度まで分かれていることが特徴です。医師による診断とカウンセリングの結果、過去の成功事例をもとに、どのような手術が最適か判断します。本記事では眼瞼下垂と、手術の種類と特徴について解説します。

眼瞼下垂には先天性と後天性のものがある


眼瞼下垂には生まれつきの先天性と、加齢や生活習慣によって引き起こされる後天性があります。現在症状のない人もいずれ出てくる可能性があり、予防のためどのようなことが原因か知ることが大切です。

眼瞼下垂の疑いがある新生児・乳幼児の特徴

眼瞼下垂は、両眼または片眼のまぶたが垂れ下がっている、目の開きに左右さがある、など見た目の特徴が出ます。外見にあらわれていなくても、当てはまるケースもあります。顎を突き出していたり、額に皺を寄せていたり、眉毛を上げる癖などがその例です。眼瞼下垂は上瞼の筋力が弱く、目の上にまぶたがかぶさっている状態です。視力の発達途中にある新生児・乳幼児は今後の視力に影響が出る可能性が考えられるため、気になる場合は速やかに受診をする必要があります。

後天性眼瞼下垂が起こるケースの特徴

後天性のケースは、外傷による眼瞼挙筋等の損傷、ハードコンタクトの長期間使用、加齢によるまぶたのたるみ、ミトコンドリア脳筋症や重症筋無力症、脳梗塞・脳腫瘍などといった病気やボトックス注射による影響などが挙げられます。病気の場合、まぶたを上げる神経のある脳幹に影響が出て、筋肉の動きが低下することで症状が出ると考えられています。ボトックス注射の場合はしばらく様子見でも問題ありませんが、病気であれば症状が進むことがあるため医師の診察が必要です。

形成外科・眼科で行う眼瞼下垂治療の種類と特徴

眼瞼下垂は病気という位置づけなので、形成外科・眼科での手術は基本的に保険が適用され、安価で受けられます。しかし形成外科と眼科では手術に対する考え方や方法が異なることが多いため、メリット・デメリットについて事前にしっかりカウンセリングをしてもらいましょう。

形成外科で行う眼瞼下垂治療の特徴

形成外科の場合、手術によって視界を良くすることに加えて、審美の面においても本人の希望に近づくように配慮してくれる医院は数多いです。形成外科はメスを使った切開術や縫合を行い、傷跡や異常と思われる箇所を治療することを目的としています。症状を改善する目的は必要ですが、見た目をよくするための治療も可能です。しかしあまりに審美にこだわる場合は保険適用外と見なされ、自費になることもあります。

眼科で行う眼瞼下垂治療の特徴

眼瞼下垂の手術内容自体は形成外科と基本的に同じですが、中には手術を行っていない医院もあるため、大きな総合病院などの眼科に診察に行くことを視野に入れることが望ましいでしょう。弱視や肩こり、頭痛などの改善を目的としているのであれば眼科がおすすめですが、眼科では「まぶたが下がって視界が狭くなること」を改善する目的で手術するため、目の形の美しさや大きさまでは対応できないことが多い点には注意が必要です。

眼瞼下垂に対して行う手術の種類と特徴

眼瞼下垂の手術にはいくつかの種類があります。それぞれのメリットやデメリット、症状やライフスタイルを考慮した上で医師が手術法を判断し、患者に提案と説明を行います。

挙筋短縮法

目を開けるための眼瞼挙筋という筋肉を短く切ることによって、まぶたを開きやすくするのが挙筋短縮法です。古くから術法が確立されており、臨床的効果も非常に高い優れた治療法で、主に重度の症状の人に行われます。まぶたの表面を切開する方法と裏側から切開する方法があり、表面での手術であれば傷跡は残りやすいですがダウンタイムが短く、裏側からの手術であれば目立つ傷跡は残りませんが、ダウンタイムが長いという利点・欠点があります。

埋没式挙筋短縮法

埋没式挙筋短縮法は、まぶたの表面・裏側を切開することなく、二重まぶたを作る埋没法と同じように糸を埋め込むことで症状を改善させる治療法です。術後の内出血や腫れも少なく人気の術式ですが、切開術に比べると目の開きを大きくする効果は低く、術後に戻ってしまう可能性があります。切らない方法のため、万が一の際はやり直しがきくこともメリットです。

ミューラー筋タッキング法

ミューラー筋タッキング法(MT法)は切らずに目の開きを良くする術式で、挙筋腱膜とミューラー筋を剥離し、ミューラー筋のみを瞼板に固定する治療法です。手術中は腫れにくく、目を開けて仕上がりを確認しながら微調整をします。切らない治療法なのでダウンタイムが短くなり、長期の休みが取りにくい人にもおすすめです。軽度〜中度であれば適応可能ですが、重度の場合は別の術式を勧められる場合があります。

筋膜移植法

筋膜移植法は、挙筋短縮法では治療ができない重度の人向けの術式で、筋膜を移植することにより目を開けさせる治療法です。太ももなどから3cm程度の筋膜を採取し、眼輪筋の下に移植します。まぶたを支える瞼板とまぶたを上げる前頭筋に固定することで、眉毛を上げた時に連動して目を開くことが可能になります。しかし前頭筋を使用して目を開けるため、おでこにシワができたり、下を見る時に上三白眼になったり、両目の左右差が出たりと見た目に現れてしまうのがデメリットです。審美的な目的ではなく、視野を確保するために行われることがほとんどです。

眉下切開

眉下切開は眉毛の下のラインに沿って切開し、まぶたを持ち上げる治療法です。元々の目の印象を大きく変えることなく、自然な仕上がりが期待できます。眼瞼挙筋や挙筋腱膜に異常がない、比較的軽度でたるみを取りたい人におすすめです。切開術であるためダウンタイムが長いことと、医師の技量によっては再手術が必要になる場合があります。

眼瞼下垂の手術に臨む際の注意点

手術当日は車の運転は控えてください。手術後は経過を良くするため、出来るだけまぶたを動かさずに過ごすことが大切です。眼帯を外したあとや抜糸後は運転可能ですが、力仕事や激しい運動については、腫れや傷口が落ち着く2週間は控えることが望ましいです。手術後は視力に変化が出ることがあり、今まで使っていた眼鏡やコンタクトレンズが適さなくなることも考えられるため、違和感があれば運転は中止してください。

まとめ

眼瞼下垂の特徴についてでした。先天的なケースもありますが、後天的に眼瞼下垂になる原因は加齢や生活習慣によるもので、誰でも症状があらわれる可能性があります。手術にはいくつかの方法がありますが、病気の症状や身体の特徴に合わせて治療法を考慮することが必要です。イートップクリニックでは眼瞼下垂の症状を改善する治療法も行なっています。もし現在気になる症状があれば、お気軽にご相談ください。

記事監修医師プロフィール

院長/医師

増田えりか

2013年 日本大学 医学部 卒業
2013年 東京臨海病院 内科、皮膚科、形成外科、救急科
2015年 昭和大学病院 形成外科
2016年 今給黎総合病院 形成外科
2017年 千葉こども病院 形成外科
2018年 湘南美容クリニック 秋葉原院
2020年 湘南美容クリニック 高田馬場院 院長
2021年 イートップクリニック 開設 院長就任

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